統語と造形
1. 日常にあふれる多くのイメージや物。それらは私たちが意識する、しないに関わらず
多くの背景やイデオロギーを抱えながら記号としてあり、ひとつの語として存在する。
これらを組み合わせて、ひとつの文章を完成させるように、語と語が組み合わさり意味
を形成するような構造を造形化する。
2. 一度制作され、展示されて鑑賞者の目にふれた時点で、その作品は制作者の所有をはな
れ、ひらかれたものとなる。観る者の解釈によって変容するという基本的な質をもつ作
品という媒体は、その意味で言語=記号であり、作家の作品歴は出し入れ利用が可能な
アーカイヴのようだ。自分自身の作品を世界の記号のひとつとして、レディメイドとし
て利用し、新しい作品、空間に導入/変換を行う。語と語を組み合わせることによって
文生成する、統語論としてのインスタレーションを考える。